北陸駅巡り23夏-富山黒部編(26) 黒部峡谷鉄道本線 鐘釣駅 ~珍しい経緯と構造を持つスイッチバック駅~

きゃみ

黒薙駅から乗車したトロッコ列車鐘釣駅に到着しました。下車しましょう~。
P1340379_鐘釣_R P1340380_鐘釣_R

鐘釣駅は富山県黒部市宇奈月温泉にある黒部峡谷鉄道本線の駅。鐘釣温泉へのアクセス駅です。
中間駅としては数少ない一般客も乗降可能な有人駅。駅名標によると標高は443m起点の宇奈月駅からは+219m登ったことになりますね。

駅構造は相対式ホーム2面2線。改札口は西側の上りホームに隣接しており、下りホームとは地下通路で連絡しています。一見すると一般的な交換可能な構造にみえますが、この駅の特徴は列車の運用方法にあります。

東側の下りホーム宇奈月方からの様子。上りホーム側に上屋があって改札口や窓口などがあります。
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下りホーム欅平方から。下り列車から下車した直後の様子です。下りホームのほうが手前に長いです。ここで注目が、手前の下り線路が分岐している位置。ホームの途中にあります。
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振り返って欅平方面。上画像のホームに面した方の線路はすぐ先で途切れています。
安全側線のような形ですね。その隣を欅平方面の本線が伸びています。ということは・・・
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下り列車の出発です。列車は当然のことながらポイントを右に入ります。
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右に入った列車は、上り線に合流して単線となった線路を去っていきました。
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ここまでは特に変わった点はありませんが、下りホームが上りと比べるとやけに長いですね~。
上画像右側に歩行者用の通路がありますが、そこから眺めるとホームやポイントの様子がわかりやすいです↓
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一方の宇奈月方面。こちらは上りホーム途中にポイントがあって、真っすぐ進むと安全側線。右に分岐すると下り線に合流して宇奈月方面の本線となっています。つまり駅構造は上下線で対称になっています。
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この画像で注目する点は・・・上下ホーム間の位置のずれ、そして安全側線と本線との高低差です。

黒部峡谷鉄道は観光鉄道として訪れる人が増えていったんでしょうね~。その結果、列車編成の長大化が必要となったそうですが、狭い平坦部分に設置しているホームに収まらなかったため、安全側線部分にまでホームを延伸したそうです。
その結果、駅に進入した列車は本線とのポイントを越えて安全側線に頭を突っ込んだ状態で停車し、客扱いの後に一旦ポイントの手前まで後退し、ポイントを本線側に切り替え、改めて出発するという方法をとっています。

"ミニミニスイッチバック"するんですね~。
他にこの方法でスイッチバックする現役の駅を見たことがありません。非常に珍しいと思います。スイッチバック駅が消えていく中で、逆にスイッチバック化されたという経緯も珍しいと思います。

ちなみに今回は(残念ながら)たまたま普通車のみの短い7両編成で、ポイントの手前で収まったので、"ミニミニ"を行う必要がありませんでした・・・。

"ミニミニ"は次の列車で確認することにして、一旦出場してみましょう。

改札口付近の様子。黒薙駅に比べるとはるかに利用客が多く賑やかです。
右のホームに面して改札口、左手に窓口があります。その間を奥に進むと売店もあります。
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駅の出入口はこの手前にあります。
手前に進むとこちらにも売店。この手前には休憩所もあります。「越中まん」が気になります^^;
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更に手前に進んでいくと、駅が望めました。手前に「美山荘」という山荘。黒部川はこの右側に流れています。鐘釣温泉は更に手前に進んだ先にあるようです。
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そしてここには「万年雪展望台」なるものがあります。そこから黒部川を望むと、夏でも溶けることのない万年雪が見えるのですが・・・一番下の茶色い物体です^^; だれかがティラミスだといってました(微
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さて駅に戻ります。
この窓口で次のトロッコの座席指定を受けて整理券をもらい、右手の改札口から再入場~。
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下りホームで列車を待っていると、トロッコが登って来ました。
ここから見ると安全側線と本線との高低差がよくわかると思います。
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やってきたのはリラックス車も連結された長大編成のトロッコでした。お~
ということなので、平坦な安全側線に頭を突っ込んで停車します。
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指定されたのは3号車。普通車のボハ1153でした。着席して出発を待っていると上り列車がやってきました。列車交換です。こちらは安全側線に頭を突っ込んでいるのがわかります。
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上り列車はまっすぐ入線して下りよりも奥まったホームに停車します。
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本線がクリアとなり、こちらが先に出発となります。一旦ポイントの手前までゆっくり後退。ポイントが本線側に切り替わると、改めて出発となりました。"ミニミニスイッチバック"ですね~。

上り列車も同様の動きをします。下り列車が出発した後、上り列車から見て後方の本線がクリアとなると、一旦後退。"ミニミニスイッチバック"して出発します。

こちらは復路時の上り列車。スイッチバックして出発した直後の様子。
この列車も左に見える安全側線に頭を突っ込んだ状態で停車していました。
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さて、次はいよいよ終点の欅平駅です。

行程:黒薙(405宇奈月発欅平行)鐘釣(407宇奈月発欅平行)欅平

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Comments 2

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四季彩  
おはようございます。

交換しない駅なら、ミニスイッチバックだけで済みますが、交換駅なので、交換の場合は、どちらかが発車しないと、もう片方が発車できないことになりますね。工事列車も多いので、列車密度は意外に高そうなので、時間がかかるやり方でよいのかな?とも思います。

2023/09/21 (Thu) 05:24 | EDIT | REPLY |   
きゃみ
きゃみ  
ミニミニスイッチバック

>四季彩さん
素直にホームを延伸できれば問題ないですが、それが出来ないための苦肉の策だと思います。

2023/09/22 (Fri) 00:32 | EDIT | REPLY |   

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