北陸駅巡り23夏-富山黒部編(25) 黒部峡谷鉄道本線 (笹平駅→出平駅→猫又駅→鐘釣駅) ~出し平ダムに黒部川第二発電所~
黒薙駅で欅平行きのトロッコに再び乗車しました。
列車は駅を出るとすぐに後曳橋を渡ります。右車窓後方、黒薙駅が見えます。

こちらは左車窓。黒薙川の上流方面にはアーチ橋が見られました。
「跡曳水路橋」という新柳河原発電所へ送水するために設けられた水路橋とのこと。新柳原発電所といえば、柳橋駅の近くにあったヨーロッパのお城風の建物・・・ここから結構距離がありますが、そこまで水路が伸びているのでしょうかね~?
線路はクランクカーブを抜けて黒部川沿いに復帰するとすぐに笹平駅に停車しました。
笹平駅も関西電力専用駅のため、一般客の乗下車はできません。ただ、春先のシーズンの区間運転時はホームに降りることができるそうです。次回訪問するならそのタイミングか・・・(笑)
若しくは欅平の先の専用鉄道が一般開放されるという噂もあるらしいのでそのタイミングかなぁ。
駅構造は単式ホーム1面1線。正確にいうと2線のうちの山側にだけホームが設置されています。当駅は右側通行なので、上り列車専用のホームになるようです。
この駅ではホームの無い下り線に停車、列車交換が行われました。
こちら↓は復路時の上り列車から見た様子。復路時も交換が行われました。あちらは下り列車ですが、ホームが無いのがわかります。
地図を見た限り、駅の周辺には何も無さそうです・・・。他の専用駅には何かしらの施設が近くにあったと思います。1面1線しかない黒薙駅からはわずか0.5kmの位置・・・そう考えると、列車交換のためだけの駅ではないかとも予想されます。
交換を終えて出発です。
黒部川を右車窓に見て進んでいくと、ダムが見えてきました。「出し平ダム」です。
1985(昭和60)年7月の完成は、黒部川水系の発電用ダムの中では最も新しいそうです。
ダムの横を抜けるとすぐに出平駅に到着です。読みは「だしだいら」。
ここでも列車交換が行われました。ここは左側通行ですね。
この駅も一般客は乗下車不可の関西電力専用駅。出し平ダムへのアクセス駅になるのかなと思います。
駅構造は島式ホーム1面2線。対向列車は「工事列車」かな。最後尾に無蓋車がぶら下がってました。
欅平方に構内踏切があり、その先には小さな建屋も見えます。
トロッコは更に上流へ。
右車窓後方(窓はないですが・・・)。あの断崖絶壁は「ねずみ返しの岸壁」だったと思います(間違ってたらすみません)。
ネコに追われてきたネズミも登れずに引き返したことから、そう呼ばれるようになったそうです。
すると前方に「黒部川第二発電所」が見えてきました。
黒部川第二発電所は1936(昭和8)年に完成した小屋平ダムからの送水による水力発電所。
・・・で思い出したのが、「くろよん」。「くろよん」といえば黒部川第四発電所のことで、1963(昭和38)年に完成した黒部ダムからの送水による水力発電所のこと。映画「黒部の太陽」で知られていると思います。
ということは第一や第三もあるのかな、と調べてみたところ・・・
黒部川第三発電所はトロッコの終点の欅平にあって、仙人谷ダムからの送水による発電所だそうです。1940(昭和15)年の完成。そして第一は・・・「第一」というのはないのですが、1927(昭和2)年に完成した柳河原発電所が実質の黒部川第一発電所に相当するそうです。このダムは1992(平成4)年に廃止されて、現在はダム湖に沈んでいるそうです。その後継が例の新柳河原発電所なのかもしれません。
列車は発電所の横を過ぎるとすぐに猫又駅に到着しました。通過だったかも?
猫又駅もまた関西電力専用駅のひとつ。黒部川第二発電所のアクセス駅ということで、周辺には関係者の宿舎などがあって、地図で見ると他の専用駅とは趣が異なります。
ちなみに駅名にもなった「猫又」とは・・・
「ねずみ返しの岸壁」でネズミが登れずに引き返したという話がありましたが、そのネズミを追ってきたネコもまた、岩壁を登れず引き返したことから、「猫又」と呼ばれるようになったともいわれているそうです(微)
駅構造は島式ホーム1面2線。川側には駅舎っぽい建物も見られます。
欅平方面。構内は結構広くて、側線が何本か並んでいました。
宇奈月方面。復路時の上り列車から撮ったもの。当駅は左側通行なので、左の線路は側線です。
猫又駅から先の黒部川は、蛇行の激しい細い流れとなります。
