津軽海峡駅巡り22秋(24) 下北交通大畑線 陸奥関根駅と樺山駅跡 ~林の中にひっそりと残る駅舎~
川代駅跡からむつ市街に向けて更に歩きます。時刻は15時半。
次の目標は北関根バス停。道のり3.3km、徒歩で41分の計算です。
まず一面ススキの原野を突っ切る国道279号のバイパス「むつはまなすライン」を歩きます。
しばらく歩くと橋がありました。「新出戸橋」。
そこから出戸川下流方面を見ると、鉄道橋が見えました。
川を渡ると279号の旧道と合流。南に進路をとって山側に向かいます。
坂を登っていき、「石神温泉」のドライブインだったかに差し掛かる手前で、海側の町の方からの道が合流してきました。その道をこちらに向かって歩いてくる人影がありました。その若者は私と同じ方向に進んでいくようです。すぐに私を追い抜いていきました。もしや彼は・・・でも軽装だしなぁ・・・。
少し歩くと道の両側のバス停を行ったり来たりして確認している彼に追いつきました。やはりこれは私と同じかも・・・と思って話しかけてみました(笑)
彼の話では、バスが来ないので廃駅を訪問しながら大湊まで歩いて帰る途中とのこと。大湊には基地がありますね。その関係者のようです。目的は同じようなので一緒に行動することになりました。
まさかこんなところで同じ目的の人と出会うとは^^; 何もないところを一人で歩くよりも、会話しながら歩く方が気分的にず~っと楽ですね。私にとってはちょっとした奇跡でした^^
さて、彼に引っ張られる形で進んでいき、住宅が現れだしてそろそろかなというところで左手の横道に逸れます。
集落の中を進んでいくと立派なお寺さんがありました。「大日寺」というそうです。
そのすぐ先は行き止まりになっていました。手前には郵便局の廃屋が立っています。
この突き当りに陸奥関根駅があったようですね。
陸奥関根駅はかつて青森県むつ市関根にあった下北交通大畑線の中間駅。廃止時は単式ホーム1面1線の無人駅だったそうです。
大畑方面。右側に線路があったはずですが、草に埋もれてしまってよくわかりません。
下北方面。辛うじてホームがわかります。完全に野に還ってますね。
振り返って駅前広場と駅前通り。集落の裏手にあるといった感じです。
それでは次に向かいます。次の目標は北椛山バス停。道のり3.4km、徒歩で41分。
時刻は16時を回りました。日が暮れる前には到着したいところです。
再び国道に戻って集落の中を歩いていき、左手に逸れる横道を見ると・・・
ちょっとわかりにくいですが、「この先踏切り」という標識が残されていました。
関根の集落を抜けました。坂道を登ります・・・。
しばらく歩いて民家が少し見えてきたところで、再び左手に逸れます。こちらは関根と違って未舗装の道。
突き当たりまで来ましたが、電力関連?の施設以外何もありません・・・。
そこから草をかき分けて少し降りていくと、結構広々と横たわる道のような場所に出てきました。
これは線路跡ですね。そしてこの先には・・・
樺山駅跡がありました!
樺山駅はかつて青森県むつ市田名部北椛山にあった駅。すぐそばに旧海軍の飛行場跡があるらしく、建設時に人員や資材の運搬に当駅が利用されたそうです。
廃止時は単式ホーム1面1線の無人駅。大畑方から見た様子。奥に彼が写ってます。
大畑方面の様子。完全に林の中にありますが、意外にも草が生えずに原型を留めています。
そして驚くべきことに駅舎が残されていました。
こちらは駅前から見た様子。この手前に先ほどの道への出入口があったはずなのですが、草に閉ざされていて孤立状態になっていました。
駅舎内の様子。傘立ては当時からのものでしょうか。
ホーム上、大畑方から見た様子。
庇には立派なスズメバチの巣がありました。彼曰く、昼間に来なくて良かったそうです。
たまたまですが、この駅は80年代の国鉄時代に列車から撮影していました。人がいます(驚笑)
色は異なりますが、現在の建物と同じようですね。
撮影を終わらせて、国道沿いにあるバス停にやってきました。
北椛山バス停です。「椛山」・・・読みは駅名と同じですが漢字が異なります。
この後一気に日は落ちました。駅跡はあんな状態なので、日が落ちたら撮影以前に訪問自体も難しかったと思います。間に合ってよかったです。
さて、次の駅はむつ市街にある田名部駅になります。道のり4.4km、徒歩で58分の計算。ですが、日も暮れたので歩きはここまでにして、バスに乗車することにしました。次のバスに乗り遅れると東京まで帰れなくなりますし・・・。
10分ほど走ってむつ市街にあるむつバスターミナルにやってきました。そのすぐ先のある場所で、バスはUターンして同じ道を戻る形になりますが、その突き当りに田名部駅があったそうです。
若者君はむつ市街で買い物してから帰るとのことで、途中のバス停で下車していきました。またいつかどこかで会えることを願って別れの挨拶をします。
そしてバスは終点の下北駅に到着です。最終回につづく~
